水玉物語#005フォーエバーランド
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どんな時でも 元気よく タンバリンを叩いて 道をまっすぐ進む その先には永遠の国
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ある街で、マイは毎朝、線路ごしに向こうのホームにいる男の子に恋をしました。
男の子エバもマイに気がついて、毎朝二人はほほえみ合いました。
マイが心の中で話しかけると、エバもゆっくり微笑んだり、頷いたり、二人の想いは通じているように思えました。
けれど、直接話がしたいと思うと、どうしても会うことができません。向こうのホームへ行こうとしてもそこへつながる道はないのです。
それを学校の誰かに話しても、誰も不思議だとは思わないので、マイはいつしかこの世界は何かがおかしいと思いました。マイのお姉さんの恋人の不思議なことばかり研究している風変わりな先生だけが話を信じてくれました。
「僕もそう思っていたのです。この世界はもしかしたら、本当の世界ではないのではないかと、誰かによって作られた夢の中のようなものではないかと」
そしてなんとかエバと連絡を取る手段を考えました。すると図書館の本だけは二人同じものを見ていることがわかりました。そして二人は古い書物を通じながら、どこかにある永遠の国の記述を見つけます。
そこに行くには満月の夜、街を出る汽車のホームからまっすぐ歩いていくしかないと書かれていました。
マイはその言葉をエバと会える唯一の方法だと考えました。ホーム越しにそのことを胸に思い、エバもマイも頷きました。
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「次の満月、幻の13番ホームで会いましょう」
そんな場所が本当にあるのかさえ、わからないのですがもうそれしかないように思うのです。
マイは心配しないように置き手紙を残して、元気な服に着替えると窓から抜け出してその場所に行きました。すると今まで気づかなかった緑の蔦に覆われた入り口がありました、「やあ」と二人はそこで初めて間近に顔を合わせ、自己紹介をしました。
そして行こう!と元気に、そこに敷かれた線路を歩いていくことにしました。手にはタンバリンを持ってフォーエバーランドを探して、その先には彼らが初めて見る本当の世界があったのです。
さあ、元気を出して
目的地は必ず
まっすぐ行ったその先にある
物語のシーン
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線路を歩いていくと、二人は外に出ました。なんと二人が街だと思っていたのは大きな眠る象の中にあって、外には草原が広がっていました。二人は顔を見合わせて、眠る象をしばらくながめます。そして歌を歌いながら、まっすぐどこかにある永遠の地を目指します。