水玉物語 #009 ハピネス
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世界には キラキラした 宝石のような 瞬間が たくさんある
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世界中を気ままに旅していた キトリさんはある夜明け前、最果ての街と呼ばれた世界中の旅人が最後に辿り着くといわれる街(ハピネス)にやってきました。
古い石の門をくぐり中に入ると、栄えていた街はすっかり寂れて、時計塔の時計も止まったまま、誰もいず、街は静まり返っていました。キトリさんは一軒だけ灯りのついた宿の扉を見つけて入ってみると出てきたのは背の高いうさぎでした。キトリさんはなぜかその街にしばらく滞在してみようと思いました。
最果ての街のうさぎの宿で寝起きして暮らすうちに、少しずつ不思議な登場人物が現れ、キトリさんの日々もうさぎの宿は少しずつ賑やかになっていきました。それでも街は時計の針を止めたままです。キトリさんはだんだんその謎を解き明かしたような気分になって、丘の上の城跡にたどり着きます。
そこには遠い昔、この街を作った城の主人がいて、その主人が描いた夢が壁一面に描かれていました。それを読みながら、キトリさんは旅に出る前に鍵をかけた自分の心に気づいていきます。
そして街が再び動き出す頃、キトリさんもまた本当の心を取り戻し、今度は夢に向かって、また旅に出ていきます。
主な登場人物
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旅人キトリさん
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宿屋のうさぎ
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灯台守の鳥先生
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幸運の黒い犬
ラッキー
目次
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「最果ての街ハピネス」
夜明け前に街にたどり着いたキトリさんはフクロウの石像が番をする石門をくぐり、最果ての街と呼ばれるハピネスにたどり着きました。けれど、栄えていた街は今はひっそりと誰もいないのでした。
「灯台守と迷子の本」
灯台で研究に明け暮れる鳥先生の本を借りて、キトリさんは風に吹かれながら海と空を眺めます。
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「真夜中の招待状」
黒い犬やピエロも増えて、うさぎの宿は少しずつ賑やかになりました。晴れた日には裏庭にテーブルを出して食事をします。
「かかしの一座」
ミルククラウン城に向かうススキ野原を舞台にキトリさんを小さな船に乗せて渡してくれる、かかしたち。
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僕は旅をする
どこまでも旅をする
この悲しみが奇跡に変わるまで